<日本ハム5-2ソフトバンク>◇1日◇札幌ドーム

 ソフトバンクに2日連続で「まさか」の文字が浮かぶ。今度は摂津正投手(32)の逆転負けだった。2-0の7回にまさかの4失点で途中KO。6回まで1安打無失点の完封ペースが暗転した。「分かりやすいですね。四球絡みの失点。あそこはダメでしょう」。降板直後からの苦い顔のままバスに消えた。

 勝利のシナリオを書き換えてしまった。先頭中島に追い込んでから四球。陽岱鋼には初球を肩口にぶつけた。そして1死一、二塁から稲葉、大引、代打小谷野と3連打を浴び、3失点で逆転を許す。いずれもほんの少しコースが甘くなった。残した走者もかえされ、摂津に4失点がついた。

 稲葉はこすった当たりが左前にポトリと落ち、運もなかった。それでも秋山監督は摂津にとって、もちろんチームにとっても痛いところを突いた。「先頭の四球だね。先頭を取っていれば陽岱鋼に1発打たれてもな(問題ない)。出したから意識したんだろう」。回の先頭打者への四球は失点につながりやすい-。安定感のある摂津をしても野球の定説は破れない。今季はこれが8度目で、うち4度が失点につながった。

 郡山、山形、仙台での楽天3連戦に続き、4日間で4球場目というハードな移動を強いられ、打線は9四死球を提供されながら援護不足だった。前日7月31日は名手本多がゴロをトンネルするまさかの適時失策から敗れ、この日は大黒柱で連敗。2位オリックスに0・5ゲーム差と肉薄された。【押谷謙爾】