8月のソフトバンク内川聖一外野手(32)は風呂場からフル回転する。各選手が開幕からの蓄積疲労を抱え、屋外ではさらにプレー環境が厳しくなる季節にも、夏男は涼しい顔だ。「体力的にきついのは確かですが、食事、睡眠、そして風呂でしっかり汗をかくことで体調を整えています」。過去3度の月間MVPのうち2度獲得した得意月間。背景には「おんせん県」大分出身者らしい体調管理があった。

 基本はぬるめながら、温度や入浴のタイミングはまちまち。1日2度、3度もあるが、大切なのは発汗という。「風呂に入り、水分をとって常に体の内を入れ替えるイメージです。朝起きて入ることもあれば、マッサージ前も」。体を温めて血液の循環を高め、汗によって老廃物を出すことで体をリセットする。おかげで胃腸も仕事量を減らさず、好物の焼き肉を頬張り続けている。横浜ではあまりに安打が続き、験担ぎで8夜連続で食した逸話も残る。

 12年8月の月間成績は打率4割で19打点、13年同月も3割5分で21打点。ハイアベレージを刻み、打点はいずれも内川自身の月別最多。今年も7月は3割3分、リーグ最多21打点を挙げ“フロ回転”の予兆が出ている。右足付け根の痛みが薄れ、3日の日本ハム戦では72日ぶりに左翼に復帰。当面はDHとの併用ながら「問題なかった」と守備面も上向き。この日32歳となり、今日5日は西武戦(西武ドーム)。名物の猛暑もこの男にはかなわない。【押谷謙爾】