ソフトバンク中村晃外野手(24)が、切り込み隊長の「勲章」を手に入れる。21日、チームとともに福岡から千葉に移動。今日22日からロッテ3連戦に臨む。8月は27試合のうち18試合を消化し、中村の得点数は16と月間24ペース。現球団名になって以降は05年5月に23だった松中が最多で、中村は上回りそうなハイペースだ。1番がホームに多く生還すれば、チームの攻撃力向上にほぼ直結。“新記録”に期待がかかる。

 「後の打者が打ってくれているからですよ」と謙遜するが、8月の出塁率も4割1分6厘と高い。四球も含め、役割をしっかり果たしている。「自分が塁に出られれば打線がつながっていくし、いいと思う。(記録更新へ)頑張ります」と意気込んだ。藤本打撃コーチも「ヒットと四球は一緒という考えで去年からやっている。そのままやってくれたらいい」と期待した。

 打率も6月以降は3割をキープ。136安打はリーグ最多だ。それでも打撃の状態は「良くはない」とした。やや体が突っ込み気味と自己分析。「スイングどうこうより(球を待ちきれず)我慢できなくなっている。疲れでしょうね。トップの位置が浅くなっている。そこが直れば全体的に良くなると思う」。

 昨年は初めて3割打者の仲間入りも、出場は109試合。今季は既に110試合と上回った。正念場の夏もコンスタントに打ち続ける背番号60。「夏の対策は特にない」と気持ちの強さで乗り切り、強力打線を加速させる。【大池和幸】

 ◆月間得点数の球団記録

 64年5月の広瀬叔功(南海)の32でリーグ記録。以下、04年6月城島健司の31、62年8月広瀬の28、51年9月蔭山和夫の27、01年4月柴原洋の26、64年8月野村克也、73年8月門田博光、89年8月アップショー、04年5月バルデスの25と続く。球団名がソフトバンクとなった05年以降は松中の23が最多。球団のシーズン最多得点記録は、04年松中の118。ちなみに、月間得点数のセ・リーグ記録も32で、村田修一(巨人)が13年8月に達成している。