<日本ハム9-5楽天>◇21日◇札幌ドーム

 大敗の中にも、光る一打があった。楽天枡田慎太郎外野手(27)が日本ハム戦で2戦連続の適時打を含む2安打を放った。1軍再昇格後の2試合でともにマルチ安打を記録。4回までに9失点と早々に試合の流れは決まってしまったが、8回の2点打で追い上げムードを作った。チームは2連敗で借金は今季ワーストの22。星野監督が若手主体への切り替えを明言する中で、気を吐いた。

 大量点差の中、意地の一撃だった。2-9の8回2死二、三塁、枡田は変化球を狙い澄ました。フルカウントからの6球目。日本ハム武田勝の外角低めに落ちる121キロのチェンジアップをすくった。打球はライナーとなり、右翼線を破った。一塁走者のジョーンズも楽々と生還する2点二塁打。「変化球が続いていたので、変化球のイメージを持ってうまいこと打てた」と淡々と話した。

 覚悟を持って打席に立つ。プロ9年目の今季は2軍暮らしが長引いた。星野監督の休養に合わせるように5月27日に1軍登録を抹消された。昨年は勝負強い打撃で日本一に貢献したが、調子が上がってこない。炎天下の利府や泉で真っ黒に日焼けするまで、来る日も来る日も黙々とバットを振り続けた。「僕は常に何かを変えてやっていかないといけない。主力ではないし、毎日進歩していきたいと思っている」ともがいた。

 1軍再昇格は突然決まった。5-12でロッテに大敗した16日、星野監督が若手主体の起用を決めた。翌17日に今野、相原ら新人とともに1軍登録された。状態は完璧ではなく、「上に呼ばれた時は正直、え?

 と思いました。でも呼ばれたからには、僕は打席でバットを振る。そして結果を残していかないといけない」と戸惑いもあった。しかし、もう後がないという気持ちが、2戦連続の適時打となって表れた。

 チームは少しずつ来季に向けて動きだしている。この日は松井稼がプロ初の左翼守備に就き、新人の相原も登板。しかし、序盤に投手陣が崩れ9失点と早々に試合が決まり、星野監督も険しい表情で戦況を見守り続けた。最下位に沈み、若手の活躍が期待される状況。枡田は「準備をしてバットを振るだけです」と言った。27歳は必死でもがいている。ならば他の若手も、がむしゃらにグラウンドでアピールするしかない。【島根純】