<楽天10-3西武>◇28日◇コボスタ宮城

 楽天が2ケタ10点を挙げるのは、7月8日の日本ハム戦以来だ。仙台のファンは、昨年を思い出したように喜んだ。執念の采配は、5-2と3点リードの6回だ。二塁打と犠打で1死三塁。打席の小関翔太捕手(22)は、1ボールからのフォークに空振り。一転3球目はスクイズのサイン。キッチリ6点目を奪い、投手のエラーも誘った。星野仙一監督(67)は「ああいう形でスクイズを決められると、ガクッと来るもの」と、してやったりの表情で振り返った。実際、スクイズ後、岡島と銀次に適時打が出て一気に4点。西武に大きなダメージを与えたスクイズだった。

 2回は走塁妨害(記録は捕手の失策)や一塁の失策など、相手のミスに乗じて得点を重ねた。昨年は、小技に加え、スキを突く野球で日本一まで上り詰めた。星野監督は「こういう野球をやれば、こういう順位じゃない。みんな思い出してほしいな」と、ため息交じりに話した。

 「うちに消化試合はない。そう思った時点で、そいつが消化される」と星野監督は言う。「最後は地元にサービスだ」と9回は相原-今野と新人継投を披露した。1勝を待ち、1勝に酔うファンがいる限り、執念は絶やさない。【金子航】