<ソフトバンク4-4オリックス>◇2日◇ヤフオクドーム

 オリックス森脇浩司監督(54)の顔は上気していた。「これからにつながる試合ができた」。土壇場で驚異の粘りを見せ、首位攻防戦第1ラウンドを引き分けに持ち込んだ。

 1点をリードされた9回1死二塁。平野恵一内野手(35)が守護神サファテから右へ同点二塁打。「次につなごうと必死だった。ここまで来たら気持ちだと思う。どっちが勝ちたいか、やるかやられるかだよ」。劇的な一打に35歳のベテランも興奮を隠せなかった。

 3点をリードしながら3回、松葉が2死から適時打を重ねられ4失点、逆転されていた。その劣勢を最後に押し戻した。7回からは自慢の救援陣をフル稼働。延長もガッチリ守り切った。敗れれば首位とのゲーム差が2・5に広がるところを耐えた。

 ソフトバンクより5試合多く残すだけに、森脇監督は「今日は引き分けで十分だと思う」とうなずき「ギリギリで追いついたのは、客観的に見てオリックスらしさが出ていたと思う。粘り強さを自信にしていければいい」とプラス材料を口にした。

 この日のチームの粘りは、2、3戦目に先発予定の金子、西の両右腕の闘志にも火をつけたはず。首位奪取へ、一丸ムードはさらに高まった。【高垣誠】