<ソフトバンク4-4オリックス>◇2日◇ヤフオクドーム

 痛いドローだ。ソフトバンクがオリックスとの首位攻防戦で勝ちを逃した。内川が首痛から3試合ぶりに先発復帰した打線は3点を追う3回に4点を奪って、一時逆転。しかし、守護神デニス・サファテ投手(33)が2戦連続で9回にセーブに失敗した。小川史ヘッドコーチ(54)も緊急入院で離脱と、誤算続きで1・5差から引き離せなかった。

 秋山幸二監督(52)の頭からあの場面が消えない。「詰めの甘さやな。先頭打者をとっていかないと。初球をポーンとな。そこだけだろう」。4-3の9回。またもストッパーが誤作動した。サファテは先頭駿太に中前打を許し、犠打で進められ、平野恵に高く浮いた直球を右翼線へ運ばれ同点。家族が今日3日に米国に向けて離日する。「とても寂しいんだ」。試合前に人さし指を目にやって涙を流すしぐさを見せた、その指先がわずかに狂った。試合後は「責任を感じる。申し訳ない」と声を絞り出した。

 本来は先発要員の岩崎を6回に中継ぎで投入したまでは予定通り。「スタンリッジの状態が良くなかったから。8回まではつながったけど」。秋山監督は7回からいつもの森-五十嵐-サファテの方程式を繰り出したが、2戦連続セーブ失敗は想定外だった。

 試合前には小川ヘッドコーチが総胆管結石で入院し、欠場が決まった。作戦面で秋山監督をサポートする参謀を欠き、サインの出し役はどたばたで藤本打撃コーチに変更された。3回までに勝ち頭のスタンリッジが3失点。“ハンディ”の二重苦にも、打線は内川らで5安打し4点を奪い、一時逆転する強さを見せた。

 「ワンチャンスで逆転までいったが、その後が取れなかった。お互い厳しい試合をしている。明日も厳しい試合になる」

 ドローで始まった首位攻防3連戦。1・5差のまま今日は摂津と金子のエース対決だ。そうは簡単に頂点はつかめない。指揮官も激戦を覚悟した。【押谷謙爾】