<日本ハム1-3楽天>◇3日◇札幌ドーム
日本ハム稲葉篤紀内野手(42)が、引退表明から一夜明け、同期からねぎらいを受けた。楽天戦の試合前、テレビ解説で訪れていたヤクルト同期入団の宮本慎也氏(43=日刊スポーツ評論家)と言葉を交わした。試合は9回1死から代打で登場し、空振り三振に倒れたが、大きな拍手を浴びていた。
今季限りで引退する稲葉が「同志」からのねぎらいに、残りわずかな野球人生をまっとうする覚悟を新たにした。表明から一夜明けたこの日の楽天戦に、テレビ解説のためヤクルト同期入団で、公私に慕う宮本氏が訪問。同氏は昨季限りでユニホームを脱ぎ、進退をかけた今季の稲葉の奮闘を陰から見守ってきた。稲葉は、しんみりと浸った。「(表明直後に再会でき)何かの縁を感じる。ずっと宮本さんのいる野球人生でしたから。『ホッとしたろ』と言われました」。
心を通わせて歩んできた。ヤクルトで一緒に10年間、プレーした。若手時代は自主練習でもコンビを組み、競い合うようにストイックに追い込み、ともに第一線へと上り詰めた。宮本氏は「野村(克也)さんの下で、歯を食いしばってやったことが思い出されます」と回想。春季キャンプの2月の時点で方向性を伝えていたという。同氏は「正直ショックはない。もう1年くらいは、ごまかしたらできたとは思いますけれどね」と、引き際の美学を支持した。フリー打撃を見つめ、戦場へと送り出した。
有終の美へと加速する、ケジメのセレモニーを終えた。2点を追う9回1死から2戦連続代打で出場。守護神ファルケンボーグの剛球に食らいつきファウル2球で粘ったが、空振り三振に倒れた。3連敗で明日5日から敵地で、追う2位オリックス3連戦に突入する。8・5ゲーム差と厳しいが、ミラクル逆襲を狙うチームにとっての大勝負が待つ。「こっちも気持ちを入れていかないといけない」。稲葉が数々刻んできた自分史をフラッシュバックさせるような、起爆剤になる。【高山通史】



