<阪神1-3DeNA>◇3日◇甲子園

 もう後がない…。阪神はDeNAに力負け。2位再浮上に失敗どころか、首位巨人とのゲーム差は3・5まで広がった。前夜サヨナラ勝ちした執念はどこへ行ったのか。5回以降はノーヒットで山口にプロ初完投まで許した。今日にも巨人に優勝マジック22が点灯する。土俵際まで追い詰められた和田阪神。残り24試合、もう待ったなしだ。

 力と力の勝負でねじ伏せられた。試合終了の瞬間、マウンドにはDeNA先発山口が立ちはだかっていた。結局、1-3と突き放された後の5回から1人の走者も出せずにゲームセットを迎えた。3万人割れとスタンドも寂しかった甲子園に、冷めた余韻が残った。

 「いい勝ち方しているんだけど、重いというか…。クリーンアップが1安打に抑えられたのが大きいんだろうけど。際どいところにきてたわけじゃないけど、前に飛ばせなかった」

 試合後、和田豊監督(52)の口調も沈みがちだった。2位広島に勝った首位巨人とはこれで3・5ゲーム差。直接対決3連勝でも、並ぶことすらできない距離に離されたのは球宴前の7月16日以来だ。一戦必勝で戦ってきた猛虎だが、まさに、これ以上、離されてはいけないところまできた。

 抑えから転向した「先発山口」とは初対戦だった。力みがなくなった腕の振りと、そこから繰り出される剛球のギャップに苦戦したのか、猛虎打線は決定打を放てず。初回にゴメスの内野ゴロで1点を奪ったのみ。最後のチャンスとなった4回2死満塁でも、大和が速球に空振り三振した。

 指揮官の不満は、打線だけでなく、先発岩田にも向けられた。

 「あれだけ先頭(打者)を出したら。ちょっと入りがあまいよね。また、ローテーション投手なんだからバントができないと。あれができていれば、相手に重圧をかけられるんだから」

 2回、4回といずれも一、二塁で送りバントができず、三振。毎回のように先頭打者を出す苦しい投球とともに、9人目の打者として先発投手の義務を果たせなかったことを鋭く指摘した。

 勝負と位置付けた9月。天王山が、9日からの巨人3連戦(甲子園)だ。それまでに少しでもゲーム差を縮めておきたいが、厳しい現実が目の前にある。「それ(直接対決)までに何とかというより、1試合、1試合が大事なんで」。和田監督はいつものように一戦必勝を強調した後、最後に、やや怒気を含んでこう言い残した。

 「こんなゲーム、1回かぎりにしたいね」

 ライバルの背中をつかまえ、再び、勝負の土俵に立つことができるのか。和田阪神の底力が試される。【鈴木忠平】

 ▼阪神のシーズン終盤での最大逆転優勝は64年。シーズン140試合制の同年、130試合目の9月15日中日戦に敗れて5連敗となり、首位大洋から3・5ゲーム差と離された。ここから残り10試合を9勝1敗の快進撃。大洋が4勝5敗ともたついたことにも助けられ、2リーグ分立後2度目のセ・リーグ優勝を飾った。