<阪神5-3DeNA>◇4日◇甲子園

 阪神ルーキー岩崎優投手(23)の表情が晴れた。6回の味方の逆転劇をベンチで見守った。同点打の坂、勝ち越し打の上本を笑顔で出迎え、ハイタッチ。そしてペコペコ頭を下げた。

 「初回から持てるものを全て出して飛ばしていこうと思った。余計なことを考えずにいった」

 座右の銘「考えるな!

 感じろ!」をあらためて刻み込んだマウンドだった。ブランコに6回、逆転2ランを打たれたが、それまでの打席は2打席連続真っすぐで空振り三振。直球を低めに集め、8三振を奪った。

 この1カ月間、2軍で投球フォームの修正に力を注いできた。救世主となったシーズン序盤の見る影もなく、球が浮いて打ち込まれる試合が続いた。2軍戦でも失点を重ねた。「説明はできないんですけどちょっとした感覚の違いなんです」。灼熱(しゃくねつ)の鳴尾浜で走り込み、ブルペンでも試行錯誤した。8月29日の2軍中日戦では「より低めを」と意識し6回2失点。抑えた場面で「逆球だったんですけどね」と笑ったが、直球が低めをつき、復活を実感した。

 ブランコに浴びた逆転弾には「勝負するカウントではなかった(1-2)ところで、見せ球にしようと思っていたボール(シンカー)が余計な球になってしまった。悔しかった」。着弾すると口元をグラブで隠しマウンドにしゃがんだ。打線、中継ぎ陣の助けもあり7月5日DeNA戦以来、約2カ月ぶりの4勝目。甲子園では6度目の登板で初勝利をつかんだ。ドラフト6位左腕の復調。崖っぷちだったチームに光が差し込んだ。【宮崎えり子】

 ◆春先も救世主だった岩崎

 春季キャンプからオープン戦と好投していた岩崎は開幕5戦目、4月2日中日戦の先発に抜てきされた。それまで4戦で3度2桁失点していた投手陣の崩壊を、5回3安打無失点でのプロ初勝利で救った。4月24日中日戦(ナゴヤドーム)では7回5安打無失点で2勝目。交流戦に入るまで先発ローテを守った。