<ソフトバンク2-1西武>◇5日◇ヤフオクドーム

 ラストスパートで一気に独走だ。ソフトバンクが西武に競り勝ち3連勝。2位オリックスが敗れゲーム差は今季最大タイの4・5差に広がった。育成出身左腕、飯田優也投手(23)が自己最長の7回を投げ4安打1失点。本拠地初勝利となる2勝目を挙げた。早ければ明日7日にもマジック14が点灯する。

 4戦ぶりに飯田がつかんだ白星で、優勝へまた前進した。失点は7回、メヒアに許したソロ本塁打の1点のみ。自己最長の7イニングをしっかり投げ終えた。「最後はいっぱいいっぱいでしたね。本拠地でヒーローインタビューを受けられて気持ちよかったです」と色白左腕は笑った。

 流れは自分で引き寄せた。1回先頭の栗山に中前打されると、2番渡辺がバスターエンドラン。直撃しそうなライナーにも「打球がゆっくり見えた。グラブを出せば取れると思った」と反応しキャッチ。併殺に仕留めた。序盤は変化球が全く決まらなかったが、捕手細川に「腕をもっと振れ」と言われ修正。2回から持ち味の縦に落ちるスライダーが戻り、毎回の9三振を奪った。秋山監督も「2回から本来の投球に戻った」と評価した。

 7月30日楽天戦でプロ初勝利も、その後3度の先発で結果が出せなかった。2軍では帆足、東浜らがその座を狙っていて、もう失敗はできなかった。プロ入り後に書き留めている野球ノートを見返した。支配下登録を勝ち取り1軍に昇格したころを見て「最初はこんな気持ちで投げていたんだな」と初心に戻った。その時のフォームを参考にし修正を重ねた。

 「優勝争いは意識しないようにしてますけど、いい経験ですよね」。登板時に履く赤色の「勝負パンツ」で白星ゲット。育成出身らしく?

 量販店ドン・キホーテで購入したという。飯田の好投で、5試合を残して4年連続となる西武戦のカード勝ち越しも決めた。独走の気配を止めるものはない。【石橋隆雄】

 ▼ソフトバンクが勝利し、オリックスが敗れたため、最短で明日7日にもソフトバンクに優勝マジックが点灯する。今日からソフトバンクが2勝か1勝1分けでオリックスが2連敗すると、マジックナンバー14が出る。