西武が今季121試合目にして、優勝の可能性が完全消滅した。6日、ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で66敗目(51勝)を喫し5位に低迷。伊原春樹前監督(現アドバイザー)の辞任を受け、シーズン途中から指揮を執る田辺徳雄監督代行(48)について、鈴木葉留彦本部長(63)が来季については白紙と説明した。

 今季66個目の黒星を喫し、優勝の可能性は完全に消滅した。試合後、鈴木本部長は「反省を踏まえて、何が失敗だったのか、もう1度、考えないといけない」と話した。今季は伊原監督を迎え「常勝軍団復活」を狙ったが、成績不振で交流戦期間中の6月4日に休養。苦境の中、打撃コーチだった田辺監督代行に采配を託した。

 田辺監督代行は借金13から引き継ぎ、一時は借金を8にまで減らした。シーズン途中での指揮官交代という難しい状況の中、選手との対話を大事にしてチーム一丸をモットーに戦いを続けてきた。だが、鈴木本部長は「現時点でよくやってくれている」と評価しつつも、「『来季(監督を)お願いします』というのは別もの。今後、考えていかないといけない」と続投については白紙とした。

 低迷する今季を象徴するかのように、首位を快走するソフトバンクに力の差を見せつけられた。4点を追う9回。秋山、木村、森が岡島に3者連続空振り三振を喫し、9イニングでのチーム最多を更新する1試合17三振となった。田辺監督代行は「選手は一生懸命やっている。何とかしたいというのは分かるけど、それがオーバースイングになってしまっている」と、必死な姿勢を見せる選手たちの気持ちをくみ取った。

 来季監督に関しては現時点で白紙となったことで、後任候補には黄金時代を支えた潮崎2軍監督の名前が挙がる。さらに「編成も考えて補強もしないといけない。うちのポリシーをやっていく」と同本部長は説明した。低迷からの脱却に向け、フロント、チーム、一丸で突き進む。