<中日7-2阪神>◇6日◇ナゴヤドーム
レジェンドに続いた!
プロ13年目の中日山井大介投手(36)が、7回2失点の力投で自身初となるシーズン2桁勝利を達成した。36歳で初めて10勝到達は最年長記録。前日5日には山本昌投手(49)が最年長勝利記録を更新したばかり。阪神相手に連日の“最年長祭り”でナゴヤドームが沸いた。
ベテランと呼ばれる年齢になって、ようやく新たな領域にたどり着いた。山井は少し恥ずかしそうに笑った。「1年間、ちゃんと(先発を)やったことがないんでね。遅いか早いかは分からないけど、これが自分のペースなんじゃないですか」。奈良産大、河合楽器を経てプロの世界に飛び込んだ。毎年のようにケガにも悩んだ。器用ゆえに中継ぎも、抑えも経験。遅咲きの右腕が苦労の末に2桁星をつかんだ。
試練は6回だった。2点のリードをもらいながら、4連打を許して同点に追いつかれた。だが、その裏にすぐさま同学年の森野将彦内野手(36)が右中間へ適時二塁打を放ち、勝ち越し。谷繁兼任監督が「試合前から野手が(円陣で)何とか10勝目をという話をしていた」と明かしたように攻撃陣も一丸だった。
7回には1死満塁と崖っぷちまで追い込まれたが、カウント3-1から鳥谷を直球で二塁併殺に仕留めた。「必死でした。ど真ん中に投げて振ってくれて良かった。もうドキドキだった」。最大の危機を脱して7回を6安打2失点にまとめた。2桁に王手をかけながら2連敗していたが、三度目の正直だった。
大先輩の勇姿を目に焼き付けた。前日5日は山本昌の最年長勝利試合を最後まで見つめた。翌日にデーゲームを控えた先発投手が、ナイターの試合終了まで残ることは珍しいが「すごいな~と思って見ていた」。オフには鳥取のトレーニングジム「ワールドウィング」で一緒に汗を流す。長寿の秘密を近くで見てきた山井が1つの最年長記録を作った。試合後はレジェンドから「おめでとう」とねぎらいの言葉をかけられた。
開幕投手の川上やシーズン途中の復帰が期待されていたエース吉見も2軍調整中。苦しい台所事情で36歳の山井だけがシーズン完走間近だ。「ローテーションを守る、2桁をやるという目標があったから、最低限です」。山本昌が打ち立てた49歳勝利まではあと13年だが…。「それは想像できません!」。突っ込みを入れると、笑顔がまたはじけた。【桝井聡】
▼山井がプロ13年目で初の2桁勝利をマーク。2桁勝利を初めて記録するまで13年以上かかったのは75年戸田(阪急)13年、92年鹿取(西武)14年に次いで3人目。山井は今年で36歳。年数では鹿取に次いで2番目の遅咲きも「36歳シーズンに初の10勝」は鹿取の35歳を抜いて最高齢となった。



