<ロッテ0-4楽天>◇6日◇QVCマリン
連覇は消えても、勝ちにいく。楽天がロッテに0封勝ちした。投打がかみ合った。先発の菊池保則投手(24)は再三ピンチを招いたが、粘って0を続けた。すると、打線が7回1死からつながった。それまで相手先発の成瀬に無安打に抑えられていたが、この回だけで3安打を集め3得点。菊池の投球に応えた。デーゲームでソフトバンクが勝ち、試合前に優勝の可能性が消滅。それでも快勝だ。
気持ちがボールに乗り移った。7回2死満塁、枡田慎太郎外野手(27)はロッテ成瀬の初球を捉えた。それまでの2打席は見逃し三振だった。初球を狙ったわけではない。とにかく「甘い球が来たら打つ」。それだけだった。スライダーが高く入った。ふわりと上がった打球は右翼加藤の前にポトリと落ちた。均衡を破る1点が入った。「全然打てていなかったので。あの打席は、やけくそですね。落ちてくれて良かった。気持ちしかないです」と、興奮気味に話した。
昨季の覇者が最下位に沈んでいる。試合前、デーゲームでソフトバンクが勝ったことにより、数字上も優勝の可能性が消えた。ただ、星野監督は「うちには消化試合はない」と断言する。前カードの日本ハム戦でのこと。札幌のチーム宿舎で、遅めの朝食を取っていた。目の前にトンボが1匹、飛んできた。「もう秋だなあ」。仙台や東京よりも早い訪れを感じると、思いが口をついて出てきた。「俺は現役の頃から秋が一番好きだった。やっとシーズンが終わるからな」と冗談めかし、続けた。
星野監督
プロ野球選手は秋に年を取るんだ。過酷な夏を乗り越えて、年を取るんだ。
2月のキャンプに始まり、3月のオープン戦を経てシーズンは始まる。春、夏と戦い続けた経験を糧に、秋に、どう成長したか。プロ野球選手として、どう年を取ったか。たとえ最下位であっても、特に若い選手は“実りの秋”にしなければいけない。そう言いたかった。
7回は3安打で3得点。若い西田も2点中前打を放った。好投していた成瀬を攻略したが、前夜の反省があった。序盤の好機で2点しか奪えず、中盤に逆転負け。この日の試合前、田代打撃コーチは「点を取れるところで、どんどん取っていこう」と呼び掛けた。その言葉に個々が応えた。優勝は逃しても、一戦必勝は変わらない。【古川真弥】



