聖地の中心で夢をつなぐ!

 阪神能見篤史投手(35)が今季の伝統の一戦を勝利で締めくくる。11日の第3戦で、3カードぶりに巨人戦に先発する。3連敗中のチーム状況にも「切り替えるしかない。まだまだ何が起こるかわからないので」と逆転優勝に思いをはせた。

 中西投手コーチが「最後はエースにかけてみたい気持ちがある」と言ったように、首脳陣の強い意思で舞台が用意された。巨人戦は今季1勝4敗の防御率4・79。昨季まで通算17勝10敗だった巨人キラーも、14年は苦しんだ。それでも期待してくれた首脳陣の思いに「しっかりやらないといけないですね」と腹を固めた。そんな能見を後押しするのは聖地・甲子園だ。

 「広さも違うし、いろいろ作戦は立てやすい」

 敵地東京ドームでは開幕戦の悲劇もあり、0勝2敗の防御率10・13。一方で甲子園では勝敗こそ1勝2敗ながら、3試合で2完投。防御率も2・52をマークしている。錦織は全米テニスで決勝進出を果たし「気持ちで負けないようにと、メンタルでしっかり準備した」と言った。錦織にとっての米ニューヨーク・ナショナルテニスセンターが、能見にとっての甲子園だ。プライドをかける時が来た。大きな宿敵に聖地のマウンドから投げ込む。【松本航】