一発クリア宣言だ!

 阪神藤浪晋太郎投手(20)が2年連続の2桁勝利を目指し、今日19日の中日戦に先発する。前回12日広島戦で9勝目を挙げ、王手をかけた。残り2回の登板が想定されるが「当然です」と今日で決める覚悟だ。

 高卒で新人年から2年連続2桁勝利を挙げると、00年西武松坂以来の快挙。セ・リーグでは54年権藤(洋松)67年堀内(巨人)68年江夏(阪神)の3人が達成した。以前から「勝ち星だけでも(昨年と)同じにしたい」と意識してきただけに即達成といきたい。

 昨年の10勝目は8月31日広島戦。昨季と比べ、ここまでの道のりは苦しい。「2桁よりもまずは試合に勝ちたい。先発させてもらうので、自分の仕事を全うしたい」。チームは1・5ゲーム差で2位広島を追いかける立場。20歳ながら投手陣の軸でフル回転する男は、自然とチーム状況に目を向けた。チームの白星があり、自分の10勝目。あくまでこの順番なのだ。

 「沈んで終わるのと、ひっくり返して浮き上がって終わるのとは全然違う。気分的には上に立っておきたい」

 目標は本拠地甲子園でのCS開催だ。広島と2位を争う上で、藤浪自身は敵地マツダスタジアムを「嫌いじゃない」と語る。それでもやはり2位がいい。この日は大阪に戻ると、甲子園で1人黙々と体を動かし準備完了。ステージを一気に駆けあがる。【松本航】