<阪神7-3中日>◇20日◇甲子園

 中日が今日21日にも14年の“終戦”を迎える。奇跡のCSへ、3連勝が不可欠だった3位阪神に連敗。残り7試合で借金が9となり、85~86年以来28年ぶりの2年連続年間負け越しが決まった。そして今日も敗れれば同じく28年ぶりの2年連続Bクラスが決まる。「とにかく残り試合、全力でやっていくしかない」。巨人、広島、ヤクルトに続く4球団目の負け越しまで決まった谷繁元信兼任監督(43)は懸命に言葉を絞り出すしかなかった。

 今季を象徴する自滅負けだった。初回に1点を先制したその裏、先頭上本の打球をファンブルした二塁荒木のエラーから逆転を許す2失点。3回は三塁高橋周もはじき、遊撃堂上直もはじいた。“エラー回し”のような惨劇が雄太の足を引っ張り、3回までの5失点に直結。勝負は序盤で決してしまった。

 「これだけミスが出たら勝てるわけがない」。監督の嘆きも悲痛だ。8回には再び高橋周がゴロを後逸。1試合4失策は今季3度目で、常勝軍団を築いてきた守り勝つ野球の面影はない。勝ちたい焦りが体を硬くしたのか。だが土で不慣れな甲子園の条件を差し引いても、プロらしからぬプレーの連発。荒木は「流れを悪くしたのは僕。みんなを浮足立たせてしまった。申し訳ない」とざんげした。攻撃も10安打7得点の阪神とは対照的に12安打3得点の大拙攻だった。

 中日が2年連続進出を逃せば、07年のCS制導入後初の屈辱だ。虎の餌食のまま、9・21が谷繁体制1年目の終戦の日になってしまうのか。【松井清員】