<中日1-15巨人>◇23日◇ナゴヤドーム

 巨人先発の杉内俊哉投手(33)が、重たい扉をこじ開けた。6回を投げ1失点で10勝目。FA移籍した12年から、3年連続で2桁勝利をクリアした。巨人に移籍した投手では、1949年に南海から移籍した別所毅彦以来(9年連続)の快挙だった。

 泥臭かった。杉内は山本昌との粘り合いを制した。制球にやや苦しんだ。「腕が振れず、苦しいピッチングだった」と認めても1本を許さなかった。5回2死満塁、打者森野。スライダーで泳がせしのいだ。淡泊さが消えた14年を象徴する126球だった。

 通算310勝の別所に肩を並べた。伝説の殿堂投手も、ソフトバンクのルーツである南海から巨人の門をたたいた。広瀬叔功氏(78=日刊スポーツ評論家)が、その歩みまで重なる2人を比較し、価値に触れた。

 広瀬氏

 タイプは全然違うわな。杉内はキレとコントロールで勝負する。別所さんは剛速球で、今ならマーくんタイプ。投手としてのレベルは全然、別所さんが上。でも、巨人で勝つということは、どの時代でもすごいんだ。重圧がすごいからな。ずぶとくないと活躍できない。別所さんも、杉内も溶け込んだんだと思う。

 心の強さが共通項と指摘した。杉内は「別所さんはもちろん、知っています。すごい方。別所さん以来なんて、うれしいですよね。でも9年連続って…。すごいなぁ」と素直に語った。

 過去2年はここから仕事ができず、苦い思いをした。原監督は「彼1人、ローテを守って投げてきた。これから、大一番が出てくる。期待しています」と言った。金字塔の底力を示す秋になる。【宮下敬至】

 ▼杉内が今季10勝目を挙げ、巨人へ移籍した12年から3年連続9度目の2桁勝利を記録した。巨人移籍1年目から2年連続2桁勝利は49、50年別所、00、01年メイ、08、09年グライシンガー、12、13年杉内の4人いたが、3年目も10勝以上したのは51年別所に次いで2人目だ。別所は移籍した49年から57年まで9年連続で記録したが、杉内の2桁勝利はどこまで続けられるか。