<DeNA4-6阪神>◇24日◇横浜

 まさに仕事人だ。阪神鳥谷敬内野手(33)の116度目の猛打賞が勝ち越し弾を呼んだ。9回。午後10時をまわり、鳴り物が消えたスタジアムに快音が響いた。

 DeNAは守護神三上を送り込んできた。その初球。「回の先頭だったので」と安打にこだわり振り抜いた。一塁線への強烈な打球がブランコのミットをはじく。この日3本目の安打にチームは活気づき、ゴメスが劇的アーチをかけた。前日23日に通算猛打賞で吉田義男を抜き去った。続けざまに球団4位の数字を116にした。

 過酷なショートで1460試合連続出場。その片りんは1年目のオフから見られた。初めて参加する球団のゴルフイベント。ルーキーはそろって大人の味をかみしめていた。そこに鳥谷がポツリとつぶやいた。

 「これって体に良さそうやな」

 やり出したばかりのゴルフで周囲は一喜一憂。それでも鳥谷だけは、冷静に野球と照らし合わせて考えていた。順調にいけば来年、1500試合連続出場の大台を突破する。同期入団の筒井は「トリは若いころから10年先とかを考えていたと思う。ここまですごいと想像はしなかったけれど、今思えばトリだからこそやれているんじゃないかな」と語った。

 5回無死一塁では中前打が失策を呼び3点目をもたらせた。「結果は出ているので続けていきたい」。いずれも効果的な3安打だった。

 守備でも7回1死一、三塁で強烈な打球を処理し、本塁タッチアウトを狙った。瞬時にボールを低く投げようと判断。結果的にショートバウンドとなり得点を許した。記録は野選。それでも捕手藤井は「トリのナイスプレーだった。捕りたかった」とたたえた。猛虎の土台はやはりこの男だ。【松本航】

 ▼鳥谷が7月6日DeNA戦と8日広島戦、8月20日と21日中日戦以来、今季3度目となる2試合連続猛打賞。通算116度目は球団歴代4位で、今季18度目はチームトップ(2位はマートン15)。