<オリックス2-1西武>◇25日◇京セラドーム大阪
オリックスが、ついに逆マジックを点灯させた。同点のまま終盤を迎えたが、8回裏無死一、三塁からウィリー・モー・ペーニャ外野手(32)の左前打で勝ち越し逃げ切った。この勝利で2位以上が確定。さらに約20分後、首位ソフトバンクが楽天に敗れたため、0・5差で2位ながら優勝マジック「7」がついた。ソフトバンクは王手から8日間足踏みしたが、こちらはリーチ一発。この勢いで96年以来18年ぶりの優勝へ突き進む。
ついに、逆転優勝への灯がともった。1-1同点の8回だ。無死から安達、糸井が連打でつくった一、三塁のチャンスに、助っ人ペーニャが燃えた。2球目を思い切り引っ張ると、レフト前へ火の出るような当たり。安達が歓喜のホームを踏み、欲しかった決勝点をもぎ取った。
ペーニャは1回にも同点の適時打。一塁に到達後、胸を押さえてうずくまる場面があったが「なぜか分からないが、少し痛みがあった。興奮していたのかな」と、いったんベンチに戻った後、プレーを続行し決勝打につなげた。
ここ3試合ノーヒットだった。自宅でビデオを見ていて「力が入っている」と気づいた。この日はその反省を生かし「しっかり(球に)コンタクトしよう」と、ミートに徹して3安打2打点。主砲が輝きを取り戻した。
投手陣も西武の攻めを何度となく防ぎ、最後は守護神平野佳が連日のセーブを挙げ逃げ切った。首位ソフトバンクが敗れたため、順位は2位のままながら、オリックスに逆マジック「7」が点灯した。ソフトバンクは王手をかけてから1週間以上足踏みしたままだが、オリックスは前日に王手をかけてすぐに点灯させた。勢いは完全にオリックスだ。最短で30日にも、日本一となった96年以来、18年ぶりの優勝が決まる。
目の前の試合に勝つために、森脇浩司監督(54)も腹をくくった。1-1同点の3回、1死三塁から、先発の松葉が西武栗山に四球を与えると、即座に2番手比嘉と交代。2年目左腕を今季最短となるわずか2回1/3でマウンドから降ろした。ひとつも負けられない状況で、指揮官は心を鬼にした。「後手を踏むことは負けを意味する。とにかく先手を打つ。それが短期決戦の鉄則だ」ときっぱりと言い切った。
そして、その采配がズバリと当たる。比嘉が渡辺を併殺に打ち取りピンチ脱出。その後も鉄壁の継投で得点を許さなかった。
森脇監督は「マジック点灯はこれまでいろいろ経験させてもらっている。ついて消えたり、だからマジック。よその球場の結果は動かせない。目の前の1試合を勝ち続けるだけ」。悲願のVへ、チームは勝利だけを見据えている。【高垣誠】
▼2位オリックスに優勝マジック7が点灯した。首位ソフトバンクは残り3試合に全勝した場合、80勝58敗6分け、勝率.580。オリックスは残り8試合のうちソフトバンク戦の1試合に敗れても、他カードで7勝すれば83勝59敗2分け、勝率.585で上回る。シーズン最初のマジックが2位チームに出たのは10年阪神以来で、パ・リーグでは98年西武以来、16年ぶり。最近30年で同様のケースは86年近鉄、88年近鉄、98年西武、10年阪神とあるが、優勝できたのは98年西武だけ。他の3チームはM点灯も最終的にはV逸だった。ちなみに、最短VはM点灯のオリックスが30日で、ソフトバンクは28日。最短Vは首位ソフトバンクの方が早く、ソフトバンク優勝のケースはマジックが点灯しないでVとなる。



