<中日5-4巨人>◇25日◇ナゴヤドーム

 中日が意地の胴上げ阻止だ。巨人優勝の可能性があったライバルとの最終対決で、1点を追う3回に平田良介外野手(26)が逆転の決勝3ラン。中押し犠飛を含めた今季初の4打点で勝利を呼んだ。先発山井も7回2失点の力投で自己最多の12勝目。1差で追う最多勝と最高勝率のタイトルに望みをつないだ。Bクラスは確定したがまだ楽しみはある。

 平田はありったけの意地をフルスイングに込めた。1点を追う3回。セドンのチェンジアップを完璧にとらえた。マジック2をともす巨人との今季最終戦。負ければナゴヤドームで97年の開場以来初となる相手胴上げの可能性があった瀬戸際で、こん身の逆転3ランを左翼席に運んだ。

 「僕自身、シーズンで相手の胴上げを見たことがないし、絶対に見たくなかったですから」

 結果的に広島が勝ったため中日が負けても優勝は決まらなかった。だがBクラスが確定した今、これ以上の屈辱は味わいたくない思いで戦っていた。平田自身、アーチは実に31試合ぶり。いつも以上の気合が通算50号となる4年連続2桁弾を生んだ。

 開幕4番を任された今季は苦しいシーズンだった。不振で5月の交流戦中にその座を外れ、6月末の阪神戦では左足首を捻挫し、1カ月の戦線離脱を余儀なくされた。この故障が大きく響き、8月初旬の復帰後も崩したフォームが取り戻せなかった。

 復活のヒントをくれたのは本塁打キングだった。12日からのヤクルト3連戦でバレンティンに教えを請うた。「全体的にバランスよく打て」。そのアドバイスは「すごく参考になった」と言う。「下半身の使い方とかバットの軌道とか…。いいものを取り入れて試行錯誤を繰り返して、やっといい形になってきました」。波留コーチの教えもミックスし、今季最後でらしさを取り戻した。

 7回の好機では犠飛を上げ、最終的にもつれた試合でものを言う中押し点もゲットした。1試合4打点は今季初めてだ。だがチームトップの10度目V打点には厳しい表情で言った。「もっと打てる場面もあったし反省です。巨人にも負け越したし、悔しさをバネに来年は勝ち越せるようにしたい」。V逸の事実に変わりはない。この秋に鍛え直し、来季こそV奪回の4番を張る。【松井清員】