<阪神4-3広島>◇26日◇甲子園

 猛虎の意地を示す1発だった。3点をリードされた6回、マートンの適時打で2点差として、なお1死一、二塁。打席に福留孝介外野手(37)が入った。広島はここで左腕戸田を投入してきた。

 「あの場面では右だ、左だとは言ってられない。まっすぐ1本。変化球だったら、ごめんなさい」

 カウント2ボールから直球狙いでフルスイングすると打球はバックスクリーン右まで届いた。逆転の9号3ラン。相手先発が左腕の試合はスタメンを外れることが多いが、今季は対戦打率2割6分4厘と対右投手(2割4分)をしのいでいる。これで9月は打率3割3分3厘、4本塁打と打線をけん引している。

 「しっかりと打つボールを打ちにいけている。あの場面でも、ファウルにせず1球でしとめられた」

 福留の決勝弾でチームは何とか2位に望みをつないだ。試合後のお立ち台、最後に本拠地CS開催を信じるファンに言った。

 「あと残り4試合、僕らは勝つだけなんで。選手も信じています。また、明日頑張ります」

 選手として虎党にできる精いっぱいの誓いだった。