<阪神2-1ヤクルト>◇27日◇甲子園

 仕事をやり遂げた37歳の表情は勝負師のそれから、穏やかな笑みに変わっていた。阪神福原忍投手に今季4勝目が転がり込み、最優秀中継ぎ投手のタイトルをほぼ確定させる今季41ホールドポイント目を手にした。先発岩崎が5回1失点。同点とした直後の6回から松田、安藤とつながれたゼロのバトンを無失点で呉昇桓に。ベンチ裏から引き揚げる背番号28の背中には、充実感が漂っていた。

 「タイトルはあれだけどチームが勝つことが大事」

 8回、先頭の畠山には内野安打を許したが、威力のあるストレートで後続をきっちり打ち取った。24日DeNA戦(甲子園)から連日の4連投。その疲れをものともせず、剛腕を振り続けた。その裏の味方の攻撃につなげた。そして、守護神・呉昇桓にゲームセットのバトンを渡した。

 セ・リーグホールドポイント争いをしていた巨人山口がリーグ優勝一夜明けのこの日、出場選手登録を抹消された。山口以外、41ホールドポイントで単独トップの福原を追う影は遠く、このままいけば16年目、37歳最年長でのタイトルに輝くことになる。

 若かりしころは先発投手として数々の試合を作ってきた。34歳を迎えた11年からは、本格的に中継ぎ陣の一員としてフル回転。ケガで苦しんだ時期もあった。壁を乗り越え、阪神が誇るセットアッパーが生まれた。先発や中継ぎ。数々の勝負どころを経験してきたからこそ、後輩たちには惜しげもなく技術を伝えた。

 5月に1度、調整のため出場選手登録を抹消された。鳴尾浜での約1カ月間、汗を流しながら若手に声をかけ続けた。沖縄・宜野座キャンプでともに過ごした新人山本がキャッチボールをしていれば近づき、体の使い方を手ほどきした。ブルペンで投げ込む若手がいたら、真横でフォームをチェック。気になることがあれば逐一、声をかけた。和田監督も「頑張ってきた積み重ね。福原があってのスンファン。そこで頑張ってきた証し」とねぎらった。短期決戦でカギを握る勝利の方程式。支える右腕にとって、何よりのご褒美になる。【宮崎えり子】