コイを寄り切るぞ!

 今季最終戦となる10月1日広島戦(マツダスタジアム)に先発予定の阪神能見篤史投手(35)が、CS甲子園開催をたぐり寄せる。「今年は一番悪かった」と開幕戦の5回途中10失点で幕を開けた今季。最後の登板を前に「いい感じで終わるのが一番いい。しっかり集中力を持ってやっていきたい」と意気込んだ。

 決戦に向け甲子園でキャッチボールなどを行い調整。登板へ集中力を高めていく中で、前日27日には両国国技館から大きな刺激をもらっていた。「まだ21歳なのにすごいよね。200キロって体のでかさがすごい。動かないもんね」。テレビの大相撲中継で見つめたのは、横綱白鵬に立ち向かった新入幕逸ノ城だった。能見にとって逸ノ城は鳥取城北の後輩。1人こっそりと十両のころから注目していたという。惜しくもこの日、100年ぶりの新入幕優勝は逃したが、番付下位から堂々の快進撃だった。その状況は今の阪神にも重なるところがある。

 「目の前の1試合を戦わないと、先を見据えたら足をすくわれるからね」

 能見が見つめるのはあくまでも敵地での真っ向勝負。後輩からの刺激を力に、結びの一番で立ち合いから敵を圧倒する。