<西武9-8日本ハム>◇2日◇西武ドーム

 日本ハムのドラフト8位ルーキー石川亮捕手(19)が、アピール満点のデビューを果たした。西武戦に「8番捕手」でプロ初出場。第1打席、2回1死満塁から、右翼線へ走者一掃の適時三塁打を放った。7点リードをひっくり返されチームの連勝は5で止まったが、ドラフト7位の岸里亮佑外野手(19)が2安打1打点、同1位の渡辺諒内野手(19)も1安打で続き、高卒ルーキートリオが躍動した。

 走者がたまるのをワクワクして見ていた。プロ初打席。1死満塁の絶好機にも、石川亮は冷静だった。「ここは絶対に逆方向に打ってやろうと思った。真っすぐかスライダーしかない」。球種と狙う方向を絞った。フルカウントからの8球目、131キロ直球を右翼線に運んだ。走者一掃。息を弾ませ、三塁ベース上で手をたたいた。

 初打席初安打で打点3。ドラフト8位の高卒ルーキーが、同期生を“ごぼう抜き”の大きな第1歩だ。「ここまで来られるなんて思ってなかった。楽しかった」。球界の「いしかわりょう」くんが、華々しいデビューを飾った。栗山監督も「これでオフの過ごし方が変わってくる」。さらなる飛躍を期待した。

 「あいつはメンタルが強い」。担当の今成スカウトの言葉だ。6月の2軍戦で捕逸を連発し、“戦犯”になった。「すいませんでした」。先輩ひとりひとりに頭を下げてまわった。だが、へこたれない。「もう大丈夫です!」。翌日、いっそう大きな声を出して練習に取り組む姿があった。

 バットでは貢献したが、フル出場でマスクをかぶり9失点。「強引なリードをしてしまいました。課題が見つかりました」。反省が口を突いて出た。今後は2軍に合流し、6日から始まる秋季教育リーグ(宮崎)でレベルアップを目指す。「打つ方より、守りに課題を置いて頑張ってきます。いい経験になりました」。来季へ向けた戦いは、もう始まっている。【本間翼】