竜投にヨッシャー魂が注入される。中日は3日、招へいが内定していた大塚晶文氏(42)と来季の投手コーチとして契約に合意したと正式に発表した。入団会見は9日に行われる。

 大塚氏は近鉄、中日、パドレスなどの日米球団に在籍し、主に抑えとして活躍。日米通算176セーブをマークした。06年の第1回WBCでは日本代表の守護神も務め、王ジャパンの世界一に貢献。打者を抑えた時に絶叫する「ヨッシャー!」で人気を集めた。今季は独立リーグのルートインBCリーグ信濃で選手兼任監督を務め、9月に現役を引退していた。

 11年ぶり復帰となる中日では投手陣の底上げがメーンの仕事だ。今季、先発ローテーションを守ったのが山井1人だけ。シーズンを通して台所は火の車状態だった。続出するけが人の影響もあるが、期待された若手の伸び悩みも駒不足に陥った原因の1つだ。

 すでに情熱的な指導には定評がある。03年に中日でバッテリーを組んだ谷繁兼任監督も豊富な経験とその指導力を高く評価している。今季は2年目浜田がシーズン途中から5勝を挙げ大きなインパクトを残した。19歳のドラフト1位鈴木翔ら若手の成長が来季巻き返しへのカギとなる。大塚新コーチにかかる期待は大きい。【桝井聡】

 ◆大塚晶文(おおつか・あきのり)1972年(昭47)1月13日、千葉市出身。横芝敬愛-東海大-日本通運から96年ドラフト2位で近鉄入団。98年に最優秀救援投手。03年は中日でプレーし、04年にパドレス入り。06年から2年間はレンジャーズ。13年にBC信濃に入団し、14年は選手兼監督。通算成績はNPBが305試合で14勝23敗137セーブ、大リーグが236試合で13勝15敗39セーブ。182センチ、92キロ。右投げ右打ち。