<セCSファイナルステージ:巨人2-5阪神>◇第2戦◇16日◇東京ドーム

 巨人は阪神に連敗し、頭ひとつのリードを許した。先発沢村がコントロールを乱し、5回に危険球退場。後を受けた久保が、鳥谷、マートンに適時打され大勢は決まった。打線は7回、相手先発の岩田と好相性の井端が2ランを放つも届かなかった。CS2戦の得点は合計3点で、適時打はなし。しかも先発が序盤に失点する展開が続いている。原辰徳監督(56)は「主導権が取れませんね」としつつも「勝負はこれから」。勝負師の本領を発揮する。

 はたから見れば劣勢に映るかも知れない。阪神打線は各自が活発で、つながりもいい。投手陣は先発が役割を果たし、ブルペンも手堅い。しかもメッセンジャー&能見という、長年そびえ立ってきた先発の両巨塔が万全で控えている。だが、今後の対策を問われた原監督が「強いて言うなら心技体だけど」と、軽くいなすだけの経験値がある。

 2敗で慌てるほどヤワな集団ではない。シーズン中は阪神、広島に5度も0・5ゲーム差まで迫られ、その都度、振り落としてきた。2年前のCSでは中日に3連敗してから3連勝。豪快に日本一まで駆け抜けた。原監督は3回1死満塁、橋本の併殺打を「異議なし」とし、痛恨を認めた。返す刀で「個々の調子(を語ること)は、意味のないところでしょうね」とも続けた。打線の組み替えに柔軟なタクト。引き出しは、まだまだ残っている。

 8回2死一、二塁のワンプレーを見逃してはいけない。投手西村と一塁ロペスのコンビで、けん制のサインプレーを決めチェンジとした。ロペスが走者の後ろに控え、あうんの呼吸でベースに入り、欺いた。非公開で繰り返し練習した、高い技術の一端だった。ビハインドから懐の深さを披露する。【宮下敬至】

 ▼巨人の得点は第1戦が阿部のソロ本塁打、第2戦が井端の2ランによる3点だけ。この2試合の得点圏での打撃成績を出すと

 巨人

 10打数1安打

 打率・100

 阪神

 21打数9安打

 打率・429

 得点圏打率は阪神の4割2分9厘に対し、巨人は1割。今季の公式戦で両リーグトップの得点圏打率2割9分を記録した巨人打線だが、CSではチャンスで1本が出ない。