25日に甲子園で開幕する日本シリーズに向け21日、阪神が全体練習を再開した。相手はパ・リーグ王者のソフトバンクとなった。CSで全6戦に登板し、最優秀選手を受賞した守護神呉昇桓投手(32)が同学年のライバル、ソフトバンク李大浩封じを宣言するなど闘志が高まってきた。

 公私ともに仲のいい友人でも、日本一を決める舞台では手加減なしだ。呉昇桓が、主砲李大浩を抑えにかかる。2人は同学年で、CS期間中も頻繁に連絡を取り合っていた。頂上決戦での対戦が決まり、「打たれないように頑張りたい。打たれたら仕方ないけど、逆に他の選手も気をつけないといけない」とキッパリ言った。

 2人は韓国時代から幾多の名勝負を演じてきた。韓国時代の通算対戦成績は25打数8安打で打率3割2分。3本塁打を浴びているが、8奪三振。「強かった。よく打たれました」と表情をゆがめる。海を渡った今季は、交流戦の5月24日にヤフオクドームで対戦。「うまく打たれた」と中前打を許していた。やられっぱなしでは、男がすたる。

 CSではファーストステージから全6戦登板とフル回転で最優秀選手賞を受賞した。打者の情報をインプットして対戦に臨み、結果を出した。交流戦で対戦もあるが「スコアラーが優秀な人ばかりだ。短期決戦だし、交流戦は関係ない。データを見て考えたいと思う」と配球面にも変化を加えて封じる構えだ。

 甲子園で始まった全体練習では中距離ダッシュを繰り返し、キャッチボールは行わなかった。「チームが勝てばうれしい。ここまで来たらいい形で終わりたい」。それが日本一であることは明白だ。【池本泰尚】