日本シリーズ制覇に向け21日、阪神が甲子園で全体練習を再開した。相手はパ・リーグ王者のソフトバンクとなった。

 阪神マット・マートン外野手(33)は日本一のキーワードを「1985」に定めた。練習後にクラブハウスへ引き揚げる直前、しばし立ち止まって思案顔になる。「日本一になったのは85年かい?

 ロイヤルズと一緒だな。4歳だから、記憶に残っていないけどね」と笑った。

 CSを無傷の5勝1分けで勝ち上がった阪神は米大リーグのロ軍と戦いぶりが似ている。阪神がリーグ2位なら、ロ軍もア・リーグ中地区2位。阪神がプレーオフで無敵なら、ロ軍も驚異の粘りでワールドシリーズまで勝ち進んだ。阪神が日本一になったのも、ロイヤルズが世界一になったのも85年以来という因縁だ。

 激烈なトーナメントを勝ち抜く心意気は誰よりも熱い。前日20日、ソフトバンクがCS突破を決めると、昨季まで同僚だったスタンリッジに「おめでとう」とメールを送ったが、本番では真剣勝負するつもりだ。

 今季、公式戦では1度だけ直接対決。6月9日に甲子園で向き合ったが2三振など4打数無安打だった。「ストライクからボールになるカットボールにやられたよ。真っすぐに見えて、最後に曲がる。その球を振り続けるなら、投げ続けるってね」。チームも完封負けを喫した相手とは化かし合いになる。【酒井俊作】