<SMBC日本シリーズ2014:ソフトバンク5-1阪神>◇第3戦◇28日◇ヤフオクドーム

 モメンタム(勢い、弾み)を取り戻せ。第2戦に続き、ヤフオクドームでの第3戦でも阪神打線はつながらなかった。ソフトバンク大隣に7回で3安打。三塁すら踏めずに封じられた。それでも9回には2死から守護神サファテに上本、鳥谷が連打を浴びせて1点を返す。CSファイナルステージで巨人を圧倒し、シリーズ初戦もものにしたあの猛攻を再び-。

 玄界灘の夜風が冷たかった。阪神和田豊監督(52)は、最後まで眉間にシワを寄せたままだった。タカ狩りならずに黒星先行。負けなしのままセ・リーグ代表まで上りつめた勢いは消え、シリーズ2連敗となった。03年は福岡で4戦全敗、05年は千葉で2連敗。日本シリーズでの敵地勝利は、あの日本一を決めた85年11月2日まで遠ざかってしまう。

 和田監督

 球の切れとコントロール、コース、高さ、ほとんど間違いなかったね。ストライク先行されたり追い込まれると、よりキレが増すから。制球がいいのは分かっているから何とかしないといけないけど、捉えきれんかったね。

 2日前、甲子園のVTRを見ているようだった。左腕大隣に手玉に取られた。ワンバウンドするチェンジアップにクルクル回り、要所では内角低めへの直球をズバッと決められた。5回までマートンの中前打と福留の四球だけ。5回を完璧に封じ込まれた第2戦の武田のように、貧打で主導権を握られた。突破口を開くような対策も見えずに凡打の山。お手上げだった。

 勝負手も不発だった。パ・リーグ本拠地で採用の指名打者には、新井良を選んだ。第2戦で反撃の口火を切った狩野や「代打の神様」関本、腰痛を抱える新井も直前まで探った。虎の元気印は1点を追う2回2死二塁でチェンジアップをすくって中飛。5回1死一塁では遊ゴロ併殺に倒れた。眠気漂う猛虎打線を起こすことはできなかった。

 和田監督

 この1点を明日につなげないといけないね。ずっと言っているように日々初戦。とにかく明日取ってね、五分にする。タイにする。それだけ。

 シーズンでもビジターのナイターは分が悪かった。遠征先の夜は湿りがちだが、前日27日は先発投手のみの練習でコンディションを優先。吉か凶か、終わってみなければ分からない。指揮官は最終回に奪った完封を阻止する1点に望みをつなげた。この短期決戦の合言葉は、勢いや弾みを意味する「モメンタム」だ。最終回から、第4戦の1回へ-。悲願は29年も待っている。見せなきゃいけない虎の意地、勝負はまだまだこれからだ。【近間康隆】

 ▼3試合を終え、両チームの本塁打は第2戦李大浩の1本だけ。3試合終了時に両軍で1本塁打は、巨人と南海が対戦した51年以来63年ぶり2度目の最少タイ。阪神は3試合を終えて本塁打0。05年(4試合)は日本シリーズ史上初のチーム本塁打0に終わっており、これで通算7試合連続でノーアーチとなった。

 ▼阪神は日本シリーズで第1戦から○●●。過去このパターンはのべ15球団あるが、挽回して日本一となったのは4度(55年巨人、64年南海、83年西武、08年西武)だけで、日本一確率は26・7%。このうち敵地で第3~5戦を行っての逆転Vは、83年西武(後楽園)の1度だけ。阪神は厳しい状況に追い込まれた。