ソフトバンク工藤公康新監督(51)は1日、福岡市内のホテルで就任会見を行い、福岡、九州のファンに恩返しを誓った。

 「福岡で恩返ししたい。九州の方々が残ってほしいという願いをかなえることができなかった分、今日から福岡のみなさんに、今までお世話になった恩が返せるようにしたい」

 ちょうど15年前の99年11月1日。ダイエーから移籍前提のFA権行使を表明した。99年は11勝を挙げ、球団の福岡移転後初優勝に貢献。パ・リーグMVPも獲得したが、当時の球団フロントとの確執で移籍を決断せざるを得なかった。ファンからの残留を願う署名は15万人を超え、おわび状を手書きで数年かけて送り返した経緯がある。心の中には当時の思いが残っていた。

 29年間の現役でリーグ優勝は14度も優勝を味わってきた。ホークスでの優勝はたった1度。だが「王監督のもとで99年に優勝できた、29年間やってきた中で何よりも思い出深い優勝」。弱小チームから頂点をつかんだ喜びは西武、巨人では味わえないものだった。

 ホークスは今では優勝を争うチームとなり、12球団の中での人気上位のチームとなった。工藤新監督は「応援してくださるファンの皆さんの声援は大きい。温かく見守ってほしいし、ある時は厳しく接してほしい」と思いを語った。あの当時、別れに泣いたファンに、監督としてうれし涙を届けてみせる。【石橋隆雄】

 ◆工藤公康(くどう・きみやす)1963年(昭38)5月5日、愛知県生まれ。名古屋電気(現愛工大名電)から81年ドラフト6位で西武入団。94年オフにダイエー、99年オフに巨人へFA移籍。07年、門倉のFA加入による人的補償で横浜移籍。10年自由契約で西武復帰。プロ野球最多の実働29年で224勝142敗3セーブ、防御率3・45。93、99年リーグMVP。最優秀防御率、最高勝率を各4度、最多奪三振2度。87年正力賞。日本シリーズ出場14度は王(巨人)に並ぶ最多。西武、ダイエー、巨人で日本一になった。10年に西武退団後、1年の浪人を経て引退。左投げ左打ち。家族は夫人と2男3女。長男阿須加は俳優、長女遥加はプロゴルファー。