伝統あるショートの系譜を受け継ぐ。日本ハム渡辺諒内野手(19)が、来季の内野の新戦力候補に浮上した。16日は2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷での若手主体の秋季練習最終日。自ら申し入れた150本ノックをクリアするなど、精力的に汗を流した。来季の自分の姿を思い描き、使命感を燃やしている。「レギュラー候補としてやっていきたい」と力強く宣言した。

 チャンスが広がってきた。今季、遊撃の大引のFA移籍が決定的。渡辺は再編急務なポジションのレギュラー候補として期待される。ルーキーイヤーの今季、右踵腓靱帯(しょうひじんたい)断裂、鼻骨骨折とケガに泣いたが、9月30日西武戦でプロデビューを果たし、自覚が芽生えた。大引や今季限りで現役引退した金子誠氏ら名手が務めてきたポジションの争いへ、鼻息は荒い。「ショートというポジションは意識している」。目標に向けて、準備を進めている。

 発奮につながる言葉があった。10日の侍ジャパンとの壮行試合で「ソフトバンク・日本ハム連合」の遊撃でスタメン出場。試合後、栗山監督に呼び出され「しっかり春先に良いスタートを切れるようにしてくれ」と背中を押してもらった。大舞台も経験し、レギュラー取りへの思いは一層増した。「オフはケガせず、しっかり鍛えて体をつくっていきたい」。来年2月の春季キャンプでの1軍メンバー入りへ、狭き門を鍛錬の成果でくぐり抜ける。【田中彩友美】