中日吉見一起投手(30)が「金子愛」を力説した。24日、ナゴヤ球場で自主トレを行った右腕はトヨタ自動車の先輩で尊敬する金子千尋投手(31)の魅力を冗舌に語った。

 「僕はアマ時代から今までずっと金子さんを追い求めてきた。僕の方が勝ち数が多かったときも、あの人より上だと思ったことはなかった。本当にすごい人なんですよ」。オフの自主トレを毎年のようにともにし、定期的に電話で連絡をとる。技術的、精神的な相談にも乗ってもらう。

 金子はこの日、今オフのポスティング断念を明言し、来季の所属は国内球団に絞られた。吉見は金子の動向についてまったく情報がないというが、師弟タッグ復活の願望は隠さない。

 「一緒にいるだけで勉強になる人。普通はあまり(技術を)教えてくれないんだけど、聞けば何でも教えてくれる。近くにいるだけで勉強になる。オリックスの西君とかが伸びたように、若手にとってもすごくいいこと。うちに来てくれたら言うことないですよね」と笑顔で続けた。

 右肘手術からの完全復活を目指し、このオフは精力的に投げ込んできた。12月はブルペンから離れるが、年明け早々に投球を再開、キャンプには万全で入る青写真を描く。「投げる感覚を忘れないように、この冬は走るよりも投げることを重視したい」。今オフ最大の注目選手になった先輩を刺激にし、同じステージに戻ろうと歯を食いしばっている。【柏原誠】