オリックスから国内フリーエージェント(FA)宣言した金子千尋投手(31)が25日、近日中に右肘の遊離軟骨除去手術を受けることを明かした。球団が関西官財界関係者を招き、大阪市内で行われた「応援感謝の会」に参加。この日神戸市内の病院で精密検査を受け、手術が最善と診断されたことを公表した。

 瀬戸山球団本部長は金子の手術経費の全額支援を約束した。FA宣言したため現在は“無所属”だが、「うちの選手だと思っている。しっかり野球ができるように全面的にバックアップしたい」と力を込めた。残留交渉については「今そんなことはできない。とにかくしっかり肘を治してから」と当面凍結する方針だ。また、遊離軟骨除去手術からの復帰時期について「一般的には全治3カ月と言われている。可能なら来年の開幕マウンドで投げてほしい」と願った。

 ◆金子の右肘

 04年ドラフトの自由獲得枠で入団となったが、右肘に遊離軟骨が判明。小泉球団社長が「故障が発覚した場合に自由枠は放棄できるのか?」と実行委員会で発言する騒動となった。手術を回避して入団に至ったが、11年2月に遊離軟骨除去と骨棘(こっきょく)除去手術を受けた。1軍での実戦復帰は同年6月で、同年は10勝4敗。12年6月にも右肘内側部分の炎症で登録抹消され、同年10月に復帰した。

 ◆遊離軟骨

 肘関節両側の骨の先端にある軟骨が、激しい動作などでささくれ立ち、骨からはがれたもの。小刻みに動き回ることから、通称「ネズミ」。野球選手でも特に肘に負担のかかる投手に多く、これまで手術例は多数。近年では中日吉見が10年11月と12月、2度にわたり手術。翌11年4月20日に公式戦復帰し、同年18勝で最多勝。阪神榎田は12年9月にメスを入れたが、翌13年開幕ローテ入りした。