栄誉に花を添えた。巨人菅野智之投手(25)が、セ・リーグ最高殊勲選手(MVP)に選出された。26日、都内で行われた表彰式「NPB

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 2014」で発表された。この日は契約更改交渉にも臨み、4000万円増の推定1億1000万円でサイン。入団3年目の大台到達は高橋由らに並ぶ最速タイとなった。また、パのMVPにはオリックスからFAした金子千尋投手(31)、セの最優秀新人賞には広島大瀬良大地投手(23)、パはロッテ石川歩投手(26)が選ばれた。

 表彰の大トリを菅野が務めた。初の開幕投手、12勝で防御率のタイトル。オリックス金子とともに、異議なしでセの最高殊勲選手に選ばれた。ソフトバンク王球団会長からトロフィーを受け取り「まさか自分が選ばれるとは思わなかった。光栄です」とかみしめ、同時に「(故障で)CSに投げることができなかった。悔しさ、が強い。満足してはいけない。まだまだ」とも言った。巨人でもまれた2年間で、看板を背負う自覚あふれる投手に成長した。

 球団は、チームの顔にふさわしい評価を与えた。表彰式前に行われた契約更改交渉。4000万円増の1億1000万円を提示され、一発サインした。入団3年目での1億円到達は高橋由らと並んで最速タイ。最高額での更改だった。「いい評価をしていただいた。球団の方の期待も感じましたし、ファンの方の期待に応えられるような働きをしたいです。野球以外の面でも、若い選手の手本となるように心掛けたい」と受け止め、来季に向けて3つの目標を立てた。

 菅野

 悪いシーズンではなかったですが、決して満足できるシーズンではなかった。数字としては最低15勝。チームとしては日本一。全ての数字で、今年を上回れればと思います。

 2年連続の開幕投手は「今年、勝ちはしましたけど、いいピッチングができなかった。そこを目指して頑張りたいです」と、ごく自然に付け加えた。

 「自分超え」の方法論は分かっている。3年目へ、決め球を磨き上げることをポイントに挙げた。「三振を取る能力は必要な部分。ウイニングショットの精度がカギとなる。フォークは波があったので、もっと信頼して使えるボールになればと思います」。ツメを極め、壇上で誓った「日本一になって、またこの場に呼んでいただけるように」を実現する。【久保賢吾】

 ▼来季3年目の菅野が4000万円増の1億1000万円で契約更改。入団3年目の年俸では、米大リーグ出身のマイケル中村(日本ハム)を除くと、00年高橋由伸(巨人)01年松坂大輔(西武)の1億円を抜き、日本のアマチュア出身選手では最高額となった。

 ▼セ・リーグは2年目の菅野が最優秀選手。プロ2年目以内での受賞は外国人を除き、91年佐々岡(広島)以来23年ぶり2リーグ制後8人目。巨人では58年藤田(2年目)以来56年ぶり。

 ▼パ・リーグは金子が初のMVP。優勝チーム以外からの受賞は昨年のバレンティン(ヤクルト)に続いて2年連続。パ・リーグでは08年岩隈(楽天)以来10人11度目。

 ▼両リーグとも投手が受賞は99年野口(中日)と工藤(ダイエー)以来15年ぶり8度目。