金子よ、大いに悩め!

 オリックス森脇浩司監督(54)が22日、MBSラジオ「上泉雄一のええなぁ!」に生出演。国内FA宣言した金子千尋投手(31)を来季の開幕投手に“指名”するなど残留を信じている様子だったが、野球人生の肥やしにするため「悩んだらいい」と懐の深いアドバイスを送った。

 森脇監督はラジオを通じ、あらためて金子に訴えかけた。「先頭に立ってやってもらわないといけない存在。彼抜きには考えられない。来季の開幕のマウンドで躍動しているのをイメージしている」と、はや来季の開幕投手に指名。お笑い芸人たむらけんじから残留の手ごたえを聞かれて「もちろんです」と、確信しているように即答した。

 出演を終えても、子を思う親の愛情のように、言葉は熱を帯びる一方。「停滞していたオリックスを動かした中心的な人物。来季こそ自分が中心にいるべきという気持ちは持っていると思う」。さらには「大いに悩んだらいい。悩んだ分、アスリート人生にとってプラスになると思う」。それで成長するなら、いくらでも待つという寛大なスタンスを示した。

 そんな金子は都内で「内閣総理大臣杯プロスポーツ大賞」の表彰式に出席。殊勲賞と功労賞をダブル受賞したが、注目される去就は「今の時点で言えることはない」と多くを語らず。条件提示を終えている阪神に関する質問にも「…」、答えなかった。手術した右肘は「予定通りにいっている」とリハビリメニューを消化。今年最後の公の場を終え、注目の決断は越年が見えてきた。指揮官が言うように、悩みに悩み抜いて、答えを出すようだ。【大池和幸】