日本プロ野球界初の“兄妹カタログ共演”が実現する。ヤクルト川端慎吾内野手(27)が、実妹で女子プロ野球イースト・アストライアの友紀内野手(25)とSSK社のカタログにそろって掲載されることが22日、分かった。兄妹での日本代表定着が期待されるということで妹友紀が抜てきされ、実現した。今月下旬から配布予定。最高の親孝行を果たし、来季の活躍への契機とする。

 川端兄妹が、そろってSSK社のメーンの「顔」の1人になる。来年度の同社カタログには、これまでの川端に加え、9月の女子野球W杯4連覇に貢献した妹の友紀も起用された。友紀は今季からアドバイザリー契約をしていたが、カタログ掲載は初。同社関係者は「兄妹で唯一のプロ野球選手ですし、2人ともこれからの活躍が特に期待できる」と理由を説明した。来年1月には、同社による兄妹対談も企画されている。

 川端にとって、これ以上の刺激はない。「うれしいです。励みになりますね」。左肘を少し外に張ったような、自分そっくりな左打ちの構えで安打を量産する2歳下の妹はかわいい存在。と同時に、シーズン中でも食事をともにするなど「野球人」としても切磋琢磨(せっさたくま)してきた。昨年10月の侍ジャパン初選出時も「あいつは主力ですけど僕は…」と苦笑い。女子プロ野球界初のアドバイザー選手となるなどパイオニアとなって頑張る妹に負けないようにとの思いも、今季打率3割5厘という好結果にもつながった。

 この日は、木谷ら後輩と都内ホテルでファンイベントを開催。「来年はこの場で皆様と優勝を祝えるように頑張りたい」と締めると、大きな拍手を浴びた。真中監督からは「チームの中心になってほしい」と期待されている。それだけに「どんどんキャリアハイを維持していかないとダメ。全試合スタメンで出たい」と力を込めた。ヤクルトでも兄貴的役割を務め、親孝行ならぬ監督孝行を果たす。【浜本卓也】