グラウンド外の田中先輩にも注目せよ。日本ハム大野奨太捕手(27)が22日、若手選手に「大人力」アップを求めた。お手本は、3年ぶりに復帰が決まった田中賢介内野手(33)だ。今季台頭した中島卓也内野手(23)や西川遥輝内野手(22)ら今後、チームを背負っていきそうなフレッシュな面々に訴えた。「(田中の)プレーを見るのもいいけど、人と人の接し方だったり、表に見えない部分も見てほしい」と力説した。

 身をもって体感しているからこそ、言葉に力が入る。現在は選手会長を務めるが、田中も09年から3年間務めた先輩にあたる。「球団と意見交換できるのが、すごかった。選手側だけでなく、球団側の意見も聞いて、すり合わせていた。大人の対応だった」と当時を参考にしながら自らの職務遂行の指針にしている。

 今オフは稲葉、金子誠が現役引退。FAで小谷野、大引も移籍した。陣容が若返ったタイミングで戻ってきた格好の見本=田中に「チームにとってプラスになる。僕も含めて、勉強させてもらうことは多い。社会人として」と期待する。

 この日は、札幌市内の室内練習場でティー打撃などを行い、年内の札幌での自主練習を打ち上げた。16日には田中と同所で顔を合わせたが、込み入った話は一切なし。「(田中は)そんなに話をするタイプではないですからね」。多くは語らない先輩の背中を見て学ぶ-。選手会長は若手の精神的成長がチーム力アップにつながると信じている。【木下大輔】