ゴジラの「不動心」を漂わせた。巨人ドラフト１位の岡本和真内野手（１８＝智弁学園）が７日、川崎市のジャイアンツ球場で初練習を行った。同期が協力してキャッチボール、ノックをする中、岡本は輪を離れ、１時間以上も１人でダッシュを反復した。「取りあえず、動きたかったので走っていました」。同じく１８歳で入団した松井秀喜氏と同様、落ち着き払っていた。

　周囲に流されない姿が大先輩と重なる。入寮当日の６日もそうだった。１人で部屋にこもって「これからのイメージトレーニングをしていました」と自分を通した。久保球団社長は、初対面で交わした会話が忘れられない。関西出身の岡本に阪神ファンか聞いたら否定され、巨人ファンか尋ねても否定され、言われた。

　岡本

　ホームランを打って、ファンの方々に喜んでもらうのが自分の仕事です。だから、チームは関係ないと思っていました。

　久保社長は「すごいな、と思った。どっしりと、仏様のよう」と大物のにおいを感じ取った。

　松井秀喜氏は入団会見で「最近はサッカーや相撲に小さい子供たちが動いていますが、自分はそんな子供たちに夢を与えられるような選手になりたい」と誓って驚かせ、約束を守った。走り込む岡本を見た金城、大田らは「とにかく体が大きい」と驚いた。心身のスケールがでっかい怪童。今日８日から新人合同自主トレが始まる。「大きな声を出す」とだけ決めてスタートを切る。【細江純平】