右肘手術から再起を期す阪神西岡剛内野手(30)が11日、万全開幕へのお墨付きをもらった。担当の権田トレーナーが、2月のキャンプ初日からの通常メニュー参加と同月末の実戦出場にGOサイン。すべての不安を一掃し、全開で開幕を迎える準備を整えている。キャンプインと同時に、上本博紀内野手(28)との二塁手争いに、熱いゴングが鳴らされる。

 西岡の復活ストーリーがはっきりと見えてきた。昨年11月11日に手術した右肘は極めて良好な状態をキープ。担当の権田トレーナーが万全開幕へのスケジューリングを明かした。

 <1>2・1通常メニュー

 権田トレーナー

 本数は減らしたりするかも知れませんが、このまま順調ならシートノックにも入れると思います。

 打って、投げて、走って。キャンプインから他の選手と同メニューをこなす。まだ術後3カ月足らず。無理をする時期ではない。だが、それほどリハビリは順調。何より通常メニュー参加は、定位置奪回を期す西岡の決意表明と言える。

 「まずはセカンドでという自分の気持ちを持っている。チームメートと勝負していく」。7日の自主トレ公開日に明かした信念そのまま、2月1日に守りにつくポジションは二塁だ。その時対峙(たいじ)するのが、自身の故障後レギュラーを取った上本だ。いきなりのバトル開戦。別メニューで遅れてきて勝負するのではなく、同じ条件の真っ向勝負となる。

 <2>2月末にも実戦出場

 権田トレーナー

 全開でいけるのは2月下旬あたりかなと、私も西岡も感じています。沖縄で(2月中に)フルスロットルに持っていきたい。

 1カ月のキャンプで戦闘ボディーに仕上げ、まだ若手主体の2月末の実戦に出るプランを練っている。実績ある西岡クラスの初実戦は3月以降が慣例だが、甘えるつもりはない。上本との競争に勝つべく、初心からのスタート。ロッテ時代にレギュラーから定位置を奪ったあの時と同じように、結果も出して和田監督にアピールし続ける。

 西岡はこの日、甲子園クラブハウスを訪れてトレーニングに励んだ。自身の体を知り尽くす権田トレーナーからのお墨付きは心強い限り。打撃は問題なく、今後は「投げる方が焦点」とペースアップしていく。現在塁間の距離でのキャッチボールは、今週中に一、三塁間まで延ばす予定だ。その後は暖かいハワイに飛んで追い込み、いざ沖縄へ。監督の開幕オーダーに「二塁西岡」と書かせる準備は周到だ。【松井清員】