アイム・ドラゴンズ!

 中日の新外国人リカルド・ナニータ外野手(33)が25日、来日。ブルージェイズ傘下マイナーで川崎宗則と友人だったことを明かし、ムネリンを真似た決めポーズを披露した。ラウル・バルデス投手(37=ブルージェイズ)、アマウリ・リーバス投手(29=台湾・統一)の新助っ人2人にルナ、エルナンデス、育成メジャも来日。28日にキャンプ地沖縄入りする予定。

 長旅で疲れていたはずでも、さらっとテンションを上げた。決めポーズを聞かれたナニータは迷わず「アイム・ドラゴンズ!」と右腕を前に突き出した。走攻守そろった外野の新戦力。プレーだけでなく、ベンチのムードづくりにも一役買ってくれそうだ。

 昨年までブルージェイズ傘下3Aでプレーした。そこでムネリンこと川崎と出会った。ともに81年6月生まれ。異国から来てメジャーを目指した共通項で、気が合わないはずがない。

 「カワサキはジャパニーズ・ブラザー(日本の兄弟)。彼の奥さんが握るおにぎりを毎日もらっていたよ」と、やりとりを思い出してニンマリ。寒さが苦手と言うが「日本は屋根のある球場が多いよ」と助言もされたという。

 ムネリンが一気にトロントの人気者になった伝説のヒーローインタビューは13年5月。英会話の本を手に「アイム・ジャパニーズ!」と叫び、大喝采を浴びた。ナニータが日本のお立ち台で「アイム・ドラゴンズ!」と絶叫すれば、竜党の心もつかめるだろう。明るいキャラクターを前面に出して異国で自分の居場所を築き上げたムネリンの姿は、きっとナニータにも響いているはずだ。

 期待は高い。「常に日本でプレーしたいと思っていた。ワクワクしているよ。特長はラインドライブの打球。重圧のかかる状況も楽しみだね。どんな状況でも前向きにプレーしているのがいい結果につながっている」と勝負強い打撃をアピールした。

 今年の外野陣は和田、大島、平田の3人に加えて藤井、ルーキー友永らが争う群雄割拠。ナニータにポジションが保証されているわけではないが、ムネリンのようなサクセスストーリーを再現する意気込みだ。【柏原誠】

 ◆リカルド・ナニータ

 1981年6月12日、ドミニカ共和国生まれ。米フロリダ国際大から03年ドラフト14巡目でホワイトソックスと契約。昨季はブルージェイズ3Aとメキシカン・リーグに所属。3Aでは6年間で334試合、打率3割2分、35本塁打、194打点。182センチ、93キロ。左投げ左打ち。背番号60。

 ◆ラウル・バルデス

 1977年11月27日、キューバ生まれ。ドミニカ共和国に亡命後、04年にカブス入り。10年にメッツでメジャーデビュー。昨季はアストロズで8試合登板。最終所属はブルージェイズ。メジャー通算103試合で7勝7敗、防御率5・13。180センチ、95キロ。左投げ左打ち。背番号44。

 ◆アマウリ・リーバス

 1985年12月20日、ドミニカ共和国生まれ。05年に19歳でブルワーズ入り。メジャー経験なし。11年に3Aで先発として28試合に登板し7勝12敗、防御率3・72。12年は3Aで主に中継ぎで5勝8敗、防御率5・24。昨季は台湾・統一でプレーした。185センチ、100キロ。右投げ右打ち。背番号42。