焦らせず、ノビノビと大木に育て上げる。楽天のドラフト1位安楽智大投手(18=済美)が1日、沖縄・久米島でキャンプをスタートさせた。気温17度。風が吹くと少し肌寒い中でも、元気いっぱいだった。投内連係やランニングと笑顔を見せながら汗を流した。しかし、期待されたブルペン入りはなし。「初日に飛ばしすぎても意味がない。力みは故障のもと。(コーチから)焦らないように言われました」と説明した。

 少し物足りない印象だが、球団の確固たる育成方針がある。大久保監督は「プロで根は生えていない。体は大人だけど、1軍のマウンドっていうのはでっかい大木であるのが必要。ひっくり返ったら終わっちゃう」と比喩的に言った。高校生で名を残したとはいえ、まだ芽も出ていない育成段階。初日から焦らせてブルペン入りさせれば、開幕までにある程度育つかもしれない。しかし、じっくり体作りをさせると決めた。今後の育成について「今のところ俺はそこ(1軍)を考えていない」と長期間の育成プランがあると話した。

 今日2日にはブルペンに入ることとなったが、立ち投げのみ。強度も本人に委ねられた。安楽は「(ブルペンは)アピールする場ではあると思いますけど、力んでもしょうがない。今の僕の姿を見ていただければ」と冷静に話した。まだ、種まきの段階。大きく芽吹くため、1歩ずつ階段を上る。【島根純】