ヤクルト小川泰弘投手(24)が沖縄・浦添キャンプの3日、クイック投法の高速化に乗り出した。変更点はセット時の足の使い方。「時間が短くなる方法としてまずは(左)足を上げない。開きすぎていた足の幅を狭める。そして左足をサイドステップ気味に、真っすぐ前に出すことだと思います」。すり足気味に変更して、時短を目指す。

 通常、クイックモーションは1秒20程度といわれている。チーム内で投手陣に課せられている目標値も最低ラインが1秒25だが、小川の平均は1秒30程度だった。苦手意識は数字に表れていた。昨季は14回盗塁を企画された。チームでは八木の16に次ぐワースト2位。許盗塁数はチームワーストの12だった。高津投手コーチも「大きな課題。走られる傾向にあった。クイックが上達すれば、無駄な失点を防げる」と指摘した。

 この日はキャンプ2度目のブルペン入りで110球を投じた。クイックの計測は最速で1秒19をカウント。球界でもNO・1と評される「高速クイック」を武器に持つDeNA久保は1秒を切る。小川は「完全にはまねはできないけど、参考にはしたい」と吸収する。

 クイック改造に着手しても、直球の質は落とさない。「軸足で(プレートを)蹴るスピードを上げます」と左足を上げない分、右足を踏ん張る力で補うという。新たな武器を手に目標の15勝を目指す。その先にチームの2年連続最下位からの脱出が見えてくる。【栗田尚樹】