8年ぶりに広島復帰した新井貴浩内野手(38)が14日紅白戦で初実戦に臨み、初打席で豪快な1発を放った。フェンス直撃の二塁打、好走塁で本塁生還と立て続けに健在ぶりを示し、日南キャンプの主役となった。

 2500人のファンから、この日一番の歓声を受けたのは背番号28だった。「5番指名打者」で実戦初出場。2回に野村の高め真っすぐをフルスイングし、力強い打球は勢いを失うことなく、左中間スタンドで弾んだ。打席に入るとき以上に大きな歓声と拍手が天福球場を包んだ。

 「たくさんの歓声と拍手をもらえて、本当にうれしかったです」。やはり役者が違う。2打席目は今村の直球を捉えて左翼フェンスを直撃する二塁打。三塁進塁後、二塁ゴロで好スタートを切り、左手で本塁をタッチした。「常に前の塁を狙うつもり。石井コーチとギャンブル(スタート)しようと言っていた。思い切ってスタートを切れた」。野選を誘う好走塁にも表情を変えなかった。

 昨年オフ、約10分の1以下の減俸を受け入れ、古巣復帰を決めた。「初心に帰って、泥だらけになってプレーしている姿を見てほしい」。入団会見での言葉通り、8年ぶりの広島キャンプでは初日から泥まみれ。志願して居残り特守や特打をこなし、若手中心の早出練習にも参加した。

 ド派手な復帰戦を目の当たりにし、緒方監督の表情も明るかった。「いい調整をして、仕上がっている。そのままの結果だと思う」。幸先良い再出発にも、新井は「調整とは思っていない。今自分が持っているものを出すだけ」と言い切る。始まったばかりの新井劇場。ゴールは、梵、小窪、堂林らと争う三塁レギュラーの座だ。【前原淳】