<九州6大学野球:福岡大8-2九州国際大>◇7日◇桧原運動公園野球場

 福岡大がドラフト上位候補の主砲・梅野隆太郎捕手(4年=福岡工大城東)の活躍で2季連続優勝を飾った。九国大に1点を先制された直後の1回裏に逆転の2点適時二塁打。5回も追加点につながる二塁打を放った。最後のリーグ戦を飾り、運命のドラフトを待つ。福岡6大学も福工大が2季連続V。ドラフト1位候補の九共大・大瀬良大地投手(4年=長崎日大)は敗れ、大学野球を終えた。

 力強いライナーが右中間を襲う。1点を追う1回1死一、二塁。梅野が一振りで主導権を奪い返した。逆転の2点適時二塁打。樋口修二監督(61)は「梅野はチャンスで打つ。勝負強い。走者がいるといないでは集中力が違う」とあらためて感心した。梅野は「チームの期待感を背負っているから(走者を)かえさないといけない」と言った。

 春は10戦全勝。秋は2敗した。4年のレギュラー4選手が就職活動のため、チームを離脱。1年生や経験のない選手が入ってきた中で、チームを作り直してきた。その中心にいたのが梅野。「守りの中心で(試合中の)フォーメーションを作ってくれる。捕手の役目を十分に果たしてくれる」と樋口監督。プレーだけじゃない。高校、そして今年の日米大学野球の日本代表でも主将を務めたキャプテンシーが、新しいチームをまとめあげていった。

 九州大学野球選手権から明治神宮大会を目指すが、運命のドラフトが待つ。プロ野球選手は、小学生のときに亡くした母の夢だったという。「夢をかなえるためにやってきた強い気持ちがある。ただ自分は待つだけなんで」。リーダーシップを持った打てる捕手は静かに10・24を待つ。【実藤健一】