<東京6大学野球:早大7-0法大>◇第1週第1日◇13日◇神宮

 早大は、1年生左腕の大竹耕太郎投手(済々黌)が7回3安打無失点と好投し、リーグ戦で初先発初勝利を飾った。早大の1年生投手が勝利したのは12年秋の吉永健太朗(3年=日大三)以来で、開幕戦勝利は07年春の斎藤佑樹(26=現日本ハム)以来。右肘の違和感でベンチを外れたドラフト1位候補の有原航平投手(4年=広陵)に代わる開幕投手で白星をつかみ、打線も16安打の猛攻で法大に快勝した。

 早大の1年生左腕がチームの危機を救った。6回、1死一、三塁。大竹はともに左打者をカウント1-2と追い込み、勝負球もともに外角直球で2者連続の見逃し三振に仕留め、ピンチを切り抜けた。

 エース有原が戦線を離脱し、数日前に「開幕投手」を言い渡された。「持ち味を発揮できれば抑えられる自信はありました」。直球は130キロ台前半だが、カットボールとスライダーを有効に使い、法大打線を7回3安打無失点に封じた。済々黌(熊本)では2度甲子園に出場。13年センバツは3回戦で済美(愛媛)安楽智大投手(3年)と投げ合っており、「速い球は投げられないので低めを意識しました。場数を踏んでいるので緊張はしませんでした」と涼しい顔で言ってのけた。

 球の出どころの見づらい投球フォームはOBでもある、「和田毅(現カブス)2世」の呼び声も高い。エース離脱の穴を埋めるには十分すぎる働きで初先発初勝利。「これからが長いので(調子の)アベレージを高く持って頑張りたい」。登板前日に有原から届いた「お前がエースだ。頑張れ」というメールの言葉を胸に、ルーキーが秋の神宮を沸かせる。【和田美保】