西武が30日のドラフト会議での1巡目候補に近大の巽(たつみ)真悟投手(和歌山・新宮=4年)をリストアップしていることが24日明らかになった。前田球団本部長が「最上位候補の1人として高く評価しています」と話しており、リーグ連覇へ即戦力右腕の獲得を目指す。

 最速149キロを誇る巽は、昨春の関西学生野球リーグで無安打無得点試合を達成し、1試合23奪三振の同リーグ記録も樹立。7月の世界大学選手権でも活躍し、ソフトバンク、中日なども注目する。鈴木スカウト部長は「速球のキレ、スライダーは今年の候補の中でトップクラス。まだ伸びる可能性を秘めている」と潜在能力も高く評価する。

 球団の補強ポイントは投手。涌井ら若い先発陣がリーグ制覇へと導いたが、故障がちだった西口、石井一が抜けたとき、穴埋めできる投手がいなかった。左腕も不足しており、宮崎商の赤川克紀投手(3年)も候補に挙げる。ドラフト直前まで他球団の動向を見ながら、最終のスカウト会議で結論を出す。重複指名となった場合、小林球団社長は「くじ引きは監督にお願いしたい」と渡辺監督の“勝ち運”に期待している。