社会人野球日本選手権(13日開幕、大阪・京セラドーム)に出場する七十七銀行とJR東日本東北(ともに仙台市)の練習試合が5日、七十七銀行グラウンド(宮城県富谷町)で行われ、ソフトバンクからドラフト5位指名のJR東日本東北エース摂津正(26)が両軍ナインから祝福の胴上げを受けた。この日の登板はなかったが、ブルペンで68球の投げ込みをこなし、社会人最後の全国大会に備えた。試合は両者譲らず、4-4で引き分けた。

 東北の社会人野球界をリードする両雄の、全国大会前の地元での最後の実戦調整。試合後に予期せぬセレモニーが待っていた。ホームチーム七十七銀行側の音頭で、摂津が3度宙に舞った。今夏の都市対抗野球に七十七銀行の補強選手として出場。“第2のチームメート”から初の胴上げを受けた摂津は「いつもライバルだったチームなので、思ってもみませんでした。素直にうれしい」と笑顔を見せた。

 今季ドラフトで、ソフトバンクから5位指名。6日には指名あいさつを受ける。摂津は「まだ実感がありません。全国大会があるので、今は日本一に向けてチーム一丸となって戦いたい」と最後のチーム奉公に意欲を見せた。

 今年で、8年連続の日本選手権出場。チーム初の4強入りの昨年は、2回戦で完封勝利し、選手権初白星を挙げたが、準決勝では3回2/3を6安打6失点(自責点3)で4回途中降板の悔しさを味わった。摂津は「これまで周りの支援があってやらせてもらった。このチームで学んできたことをすべて出し、1つでも多く白星を重ね、少しでも長く試合ができるようにしたい」と社会人野球引退試合を見据えた。【佐々木雄高】