巨人ドラフト2位指名の近大高専・鬼屋敷正人捕手(3年)が15日、和歌山・新宮市内のホテルで山下スカウト部長らと交渉し、契約金6500万円、年俸600万円で仮契約した。「(巨人の)阿部さんのように頼れる捕手になりたい」と日本シリーズMVPの先輩を目標に掲げた。

 遠投120メートル。二塁送球1・64秒。「(肩は)子供のころから誰にも負けなかった。特に、何か鍛えたわけじゃないです」。ナチュラル素材の鉄砲肩は、全国の高校球児の頂点に立つ筋力が支える。今春、スポーツ用品メーカーのゼットが球児5000人を対象に筋力測定を実施。鬼屋敷は8種目の総合点で、なんとトップの数値をたたき出した。

 特に、背筋は230キロを記録。元オリックス清原がプロ入り時210キロ、ヤンキース松井が同240キロだった。ゴジラに匹敵する鬼の筋力だが、慢心はない。「スタートでつまずかないよう、しっかり体作りしていきたい」と、今も野球部の後輩に交じって、走り込みを継続。体重は夏の大会時から2キロほど増えた。木製バットでの練習も始めた。

 ひた向きな姿に、球団は背番号「64」を用意した。育成からはい上がり、今季レギュラーにまで成長した松本の番号だ。「松本さんのように、上がって活躍できるよう頑張ります。地元の子供の目標になりたい」と力を込めた。自然豊かな紀伊半島ではぐくまれた強肩で、日本一軍団の要を目指す。【古川真弥】