阪神の今秋ドラフト上位指名候補に、大阪ガス・岩見優輝投手(23=亜大)が急浮上した。28日に京都・わかさで行われた社会人野球日本選手権大会近畿地区最終予選代表決定戦・三菱重工神戸戦の登板を、黒田正宏編成部長(62)が急きょ視察。佐野仙好・西日本統括スカウト(59)ら5人態勢で見守った。

 2安打9奪三振2四球と三塁を踏ませない完封で2年連続16回目の本大会出場を決めた左腕を、同部長は「いい投手です」と絶賛。10月28日のドラフト前では最後になる公式戦登板後、あらためて「ボールそのものに力があるし、切れもある。タイミングを取りづらい投球フォームだし、スタミナもある」と評価し、最速146キロ左腕の先発としての即戦力ぶりを確認した。

 阪神は年明け1月7日のチーム始動日に、黒田部長ら関西の全スカウト8人で兵庫・西宮市のグラウンドに駆けつけた。能見、小嶋を獲得したパイプがある上に、岩見には亜大時代から注目していた。今年は左ひざ、右わき腹と故障が続いたが、最後に好投。阪神としては早大・斎藤佑樹(4年=早実)、大石達也(同=福岡大大濠)ら大学生投手と同ランクに位置付ける候補に浮上した。

 岩見自身は今夏、チームとしての都市対抗出場を逃していたことから「日本選手権出場を決められたことが何よりです」と、エースの責任を果たした安堵(あんど)感を漂わせた。松田竜二監督(45)と話し合い近日中に進路を表明するが、ドラフト上位の評価を揺るぎないものにした。